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宅建業者の取引の相手方に対する説明義務

2017年8月18日

 ここ数年,低金利の影響もあってか,顧問先等から不動産仲介に関するご相談をお受けすることが増えています。
最近お受けしたご相談に関連して,気を付けなければいけないなと思ったので,情報提供です。
不動産の売買をする場合に,売主と買主が,それぞれ別の宅建業者に仲介業務を委託する場合があります。
 その場合,宅建業者が,自身の委託者に対して誠実義務や説明義務を負うことは当然です。
他方で,ここは勘違いされやすいのですが,宅建業者は,売買契約の相手方に対しても,同じく誠実義務や説明義務を負うものとされています(宅建業法31条,35条,最高裁昭和36年5月26日判決等)。
双方に仲介業者がついていた売買の事案で,物件に関する不利益な情報を,買主側仲介業者には伝えていたものの,買主本人には知らせなかったとして,売主側仲介業者の責任が認められた裁判例もあります(大阪高裁平成16年12月2日判決)。
共同仲介の場合も,気を抜かず,しっかりと調査,説明義務を果たすことが大切です。


人間ドック

2017年3月23日

 年に1度の人間ドックを受診してきました。
 以前は,弁護士会でとりまとめをしてくれていた公立の機関で受診していたのですが,ここ数年,うちの事務所は,私立の機関で受診しています。
 今お願いしているところは,建物もきれいですし,寒くないし,待ち時間も少なく,検査後においしいお弁当まで出ます。今回は,二蝶のお弁当でした。
 人間ドックですから,検査の正確性が一番大切には違いないのですが,やはり,寒かったり長時間待つのはつらいですよね。
まさに,付加価値です。
あと,今回は,久しぶりに胃カメラの検査を受けました。
私は胃カメラが大の苦手なので,死ぬかと思いましたが,そんなとき,背中をさすって声をかけてくれる看護師さんのやさしさが心底うれしかったです。好きになりそうでした(笑)。
悩みを持って当事務所にご相談にいらっしゃる方にも,思いやりを持って接することの大切さを改めて実感しました。 



高松と東京の時差

2017年3月12日

 今年はたまたま東京出張が多く,先月と今月でもう4回出張しました。
 先日,東京のホテルで,朝6時に起きました。
 すると,やけに明るい。高松だと,6時はまだけっこう暗い時期です。
 当然,東京は高松より東にありますから,高松より日が昇るのは早いはずです。
 で,調べてみると,20分以上も日の出時間が早いそうです。
 個人的にはびっくりしたのですが,そんなに早いって知ってました?
 東京から大阪への移動中,新幹線からきれいに富士山が見えました。



同期

2017年3月5日

 先日,裁判期日のため,神戸に出張しました。
 夜は,司法修習の同期と会って食事をしました。
 その人は,大学卒業後,国内の証券会社やアメリカの金融機関で勤務し,その後司法試験に挑戦して現在弁護士をしているという,旧司法試験時代としては異色の経歴を持った人です。
 私より歳は10ほど上なのですが,超エネルギッシュでめちゃくちゃ面白い。
 その前の週にも,東京で別の同期に会ったのですが,その人も,超エネルギッシュでめちゃくちゃ面白い。
 同期には,本当に頭がよくて元気な人がたくさんいます。
 そういう優秀な人たちと,学生時代のように利害関係無くお付き合いができ,未だに親交が続いているというのは本当に大きな財産だと実感します。
 旧司法試験については,いろいろ批判もあり,現在の新司法試験に移行したのですが,旧司法試験時代には,司法修習生や,法曹界全体に,過酷な試験を乗り切った同志としての連帯感のようなものがありました。指導してくださった裁判官,検事,弁護士の先生,皆さん本当によくしてくださいましたね。
 そういえば,司法研修所の刑裁教官が,司法修習が人生のピークで,あとは転げ落ちるだけなんて言っていました。さすがにそこまでは思いませんが,楽しかったなあ。
 写真は,神戸地裁です。久しぶりに行きましたが,斬新な建物です。



光の3原色と裁判の話。

2017年2月25日

 光の3原色をご存知でしょうか。赤,青,緑が3原色と言われていますが,この色を混ぜると,すべての色が再現できるそうです。
 なぜ,3原色かわかりますか?答えは簡単で,人間の眼には,この3色を知覚する能力しか無いからです。
 つまり,世の中にその色しか存在しないのではなく,人間にはその3色しか見えていないということです。
 つまり,人間がいう世の中というのは,客観的に存在するものを指すのではなく,人間の能力において認識,理解が可能なもののことであり,その意味で,極めて主観的なものです。
 人間の能力といいましたが,同じ人間でもその能力は人によって差があります。
 つまり,人それぞれ,その人の能力,知識,経験において認識,理解可能なものを,世の中だと思っているということであり,人によって世の中は違うのです。
 法律の世界には,「社会通念」という言葉があり,社会一般に通用している常識というような意味なのですが,判決などでも,「~と判断するのが,社会通念上相当である。」などと,判断の理由付けとして使用されることがあります。
 しかし,先ほどから述べている通り,世の中自体が,人によって異なるものである以上,「社会通念」も人によって全然違います。
 社会通念を理由とする判断を否定するものではありませんが,社会通念は万人に共通のものとして客観的に存在するものではなく,あくまでも,主観的なものであり,人によって異なることには注意する必要があります。
 だから,仮に全く同じ内容の紛争があったとしても,その当事者が誰か(どのような能力,知識,経験を持った人か)によって,社会通念は異なり,判断も変わりうるのです。
 たまに,その点が意識されず,裁判官の社会通念で判断してるよな。本件の当事者がそんなこと考えてるわけないじゃないか。というような事案に遭遇します。
 とはいえ,裁判官は,我々弁護士と違って,当事者と直接接する機会は限られています。裁判官が,当事者の個性に配慮せずに社会通念を適用する原因は,弁護士が当事者の能力,知識,経験について十分に説明できていないからかもしれません。それか,その裁判官には理解できないのか。
 いろんなケースがあるとは思いますが,裁判官も,その人の能力,知識,経験において認識,理解可能な範囲でしか物事を把握できていません。その範囲が広い人も,狭い人も,右に偏っている人も,左に偏っている人も,いろいろいます。
 裁判官は,どんな判決だろうが,自分が正しいと思う判決を書いていれば仕事ができますが,弁護士は,訴訟で勝たなければいけません。
 つまり,A裁判官にもB裁判官にも理解できる主張を展開する必要があり,そのためには,A裁判官の能力,知識,経験も,B裁判官の能力,知識,経験をも,包摂した高い見識が必要になるわけです。
 そういう意味で,弁護士の仕事というのはとても難しいのです。
 法律の知識はもちろんですが,広い視野や,経験,他者を理解しようとする思いやりが必要だと思います。
 私などは,まだまだ経験不足で未熟ですが,様々な経験を通じて視野を広げ,見識を高められるよう努力したいと思います。


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