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【企業法務・労務】問題社員対策・懲戒処分の重要性

2018年9月17日

 経営者からのよくあるご相談の一つとして,「勤務態度の悪い従業員を解雇したところ,弁護士から解雇無効を主張する通知が届いた。」というものがあります。当事務所の顧問先には,そのような解雇はさせませんので,普段お付き合いが無い経営者からのご相談に限られますが。
 このような場合,当該従業員がよほど酷いことをした場合を除き,経営者にとってかなり厳しい交渉とならざるを得ません。
 事情をお聞きすると,従業員に相当問題があり,「それは,ずいぶん我慢しましたね。。。」という場合が大半です。
 しかし,この,「我慢」が問題なのです。
 経営者の我慢は,「よく我慢した」とほめてもらえることは無く,基本的に,「いままで問題視していなかったのに,突然解雇した」と評価されます。
 これを避けるために重要なのが,適切な懲戒処分です。
 懲戒処分には,戒告,けん責,減給,出勤停止,諭旨解雇,懲戒解雇などがあります。
 懲戒処分の内容や,懲戒処分の理由となる懲戒事由は,それぞれの企業の就業規則で定められており,就業規則で定められていない懲戒処分はできません。
 また,定めるだけでなくて,周知(従業員が見たい時に見ることができる状態に置くこと)がされていなければなりません。
 貴社の就業規則にはどのような懲戒事由や懲戒処分が定められているか,また,従業員がいつでも就業規則を見られる状態にあるか確認してください。
 そのうえで,勤務態度に問題があり,懲戒事由に該当する従業員に対しては,我慢せずに,直ちに戒告やけん責など軽い方の処分を下してください。
 比較的悪質性が高い場合には,減給や出勤停止も選択肢です。逆に,懲戒事由に該当するとまでは言えない場合は,書面による厳重注意でも構いません。書面による証拠を残すことが重要です。
 横領など犯罪に該当するような場合は別ですが,解雇は,以上のような軽い懲戒処分を重ねても改善されない場合に行うものと考えておくのが無難です。
 問題がある従業員がいる場合は,我慢せず,早い段階で弁護士に相談し,中長期的に対応を検討するのがお勧めです。


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